不覚にもこの歳で推しができてしまった日

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

2020年2月2日。わたしは横浜にいました。コビットは日本に確実に広がり始めていましたが、マスクをし、少し間をあけつつ開場を待つ行列に並んでいるわたしたちの目前に大きな大きな豪華なフェリーが停泊していました。後にそれがあのダイアモンドプリンス号だったことに気付くわけです。

行列に並んでいるのはもちろん次女のような若い人ばかりです。次女に勧められるまま彼らの曲を聴いていた私は、すっかりはまっていましたが、いい歳をしているので、あくまで未成年の次女の付き添いの体で、実は生で聞ける楽しみが爆発しそうな気持を抑えて並んでいました。

そして、いよいよ開演です。しょっぱなからイケメン登場です。もう歳なんて構っていられません。推し決定です。膝が悪くて、一度も立ち上がれませんが、心はずっと総立ちです。ポーカーフェースは生まれつきです。でも心はずっと笑顔満開ですよ。

そうして、沼ってやつに墜ちたのです。ASTROの沼に。